第271章 ある場所へ連れて行く

自由は確かに賢く、同年代の子供よりもずっと知能が高い。だが、所詮はまだ幼い子供なのだ。女の子らしい夢のような空間には当然憧れを抱いているはずなのに、それでも彼女は今まで一度も、あれが欲しい、これが欲しいとねだったことはなかった!

自由はただただ、母親である自分に迷惑をかけたくない。その一心なのだ。

傍らに立つ佐藤聡は、帰宅するなり林田知意から激しく口答えされるものとばかり思っていた。しかし視線を落とした瞬間、思いがけずその女の口元にふわりと浮かぶ笑みを目にした。

柔らかな眼差しと、口元に滲む微笑み。それを見た佐藤聡の心は、不思議と穏やかに解れていった。

彼は林田知意のそばへと歩み寄り...

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