第299章 自由会はあなたから離れられない

静寂に包まれた空気の中、佐藤聡の携帯電話の着信音が唐突に鳴り響いた。

「もしもし」

電話に出た聡の声は、どこか重苦しかった。

「聡、今どこなの? どうしてまだ来ないの」

「すぐ行く」

一方、電話の向こうにいる佐藤恵子は、傍らで気揉みしている田中ひなに視線を向けた。

「聡、どこにいるのよ? こんな時間になっても来ないなんて、会社で何かあったの?」

その言葉に、聡は微かに眉をひそめた。奇妙だ。今日に限って、なぜ母が会社のことを気にするのだろうか。

不審に思いつつも、聡に隠し立てするつもりはなかった。

聡は毎年、林田家の墓地を訪れている。最初から恵子に隠すつもりなどなく、ただ説明...

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