第51章

そんなわけで三人はこちらで約三十分ほど会話を続けていた。林田知意は仕事の話題には一切触れず、むしろこの男性の好奇心を大いに満足させていた。

さまざまな噂話、さまざまな噂話。

普通のおしゃべり好きな女性たちとは違い、林田知意は釣り針を投げ、そして相手の好奇心を満たす方法をよく心得ていた。

一通り話し終えると、青木長春は少し不思議に思った。

「なぜ最初から最後まで仕事の話をしなかったんですか?」

林田知意は優しく微笑んだ。

「こんなに楽しい時に誰が仕事の話をするでしょう?興ざめじゃないですか」

青木長春の林田知意を見る目はさらに賞賛の色を増した。

こういった場では、誰もが何らかの...

ログインして続きを読む