第64章

「葉田さん、せっかく来てくれたんだから、私と遊んでよ。ママばっかり構わないで」

 自由は田村翔太とも仲良しだが、今はあえて葉田南霆を求めていた。

 葉田南霆への愛着はもちろんある。だが、彼を連れ出したのは自由なりの打算があった。葉田南霆が自分の母親と親密になりすぎるのを防ぎたかったのだ。

 ママにはもうパパがいる。パパをこっそり援護して、いつか親子三人の団欒を実現させるためには、葉田南霆の存在は少々邪魔だった。

 葉田南霆は自由にはとことん甘い。普段は誰かの子供の相手などせず、あやすことすらしない男が、自由の頼みとなれば仕事さえ放り出して駆けつける。

「よしよし、葉田さんが相手をし...

ログインして続きを読む