第67章

林田知意は苦笑交じりに溜息をついた。田村翔太への食事の借りを返せていなかったのは、確かにこちらの落ち度だ。

だが、最近はあまりにも色々なことがありすぎたのではないだろうか。佐藤聡につきまとわれたり、体調を崩したり、あるいは会社のトラブル処理に追われたりと、ゆっくり食事に出かける余裕などなかったのも事実である。

「はいはい、わかったって。今日は俺の奢りだ、好きなだけ食え。何でもいいぞ。足りなきゃ持ち帰りすりゃいい」

「それなら文句はありません」

田村翔太は調子のいい性格で、その様子を見ていた自由がそばでケラケラと楽しそうに笑っている。

絶え間ない笑い声の中、葉田南霆だけが、静かに淡い...

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