第81章

「そうだな。ちょうど俺も葉田さんとゆっくり話がしたいと思っていたところだ。アメリカでの経営手腕は見事なものだと聞いている。ぜひ、ご教授願いたいものだな」

 ご教授、だと?

 佐藤聡の背後に控えていた高橋契は、その言葉に耳を疑った。

 あの社長が、他人に『教えを請う』などと口にするとは。まさに前代未聞の事態だ。

 高橋は背筋に冷たいものを感じ、何かが起こる予感に震えた。

 林田知意もまた、胸騒ぎを覚えていた。この男はいったい何を企んでいるのか。

 その場にいる誰もが疑心暗鬼に陥り、表情を強張らせている。ただ一人、葉田南霆だけが涼しい顔を崩さなかった。

「ええ、もちろんです。こちら...

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