第89章

自由は今日、パパと一緒にいられることが嬉しくてたまらない様子で、佐藤聡の腕の中で手足をバタバタさせてはしゃいでいた。

「たべたい、たべたいっ」

一方、仕事を終えた林田知意は、北村南の運転で学校へと向かった。

到着したのは、ちょうど下校時刻だった。車を降り、校舎から出てくる子供たちの姿を目で追う。だが、いくら探しても自由の姿が見当たらない。一瞬にして不安が胸に広がった。

以前、自由が学校でトラブルに巻き込まれたことがあるため、林田知意が過敏になるのも無理はない。

「温水先生、自由は?」

生徒たちの誘導をしていた温水先生は、林田知意の姿を見て不思議そうな顔をした。

「林田さん、自由...

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