第143章 俺のこと好き?

綸は顔を上げ、彼女ににっこりと微笑みかけた。

さっき、福江良平が自分のことを「母親の養子だ」と言ったとき、彼は一瞬きょとんとした。

だがすぐに思い直した。きっとママが、わざと嘘をついたのだと。以前、福江良平は子供が大嫌いだと、ママが言っていたからだ。

ずっと黙っていた雫が、不意に口を開いた。

「あの、ちょっと待って」

千葉清美が部屋に足を踏み入れた瞬間、雫はすでに彼女だと気づいていたのだ。

しかし、それを福江良平に告げる勇気はなかった。

彼が綸に向ける、氷のような冷たい視線を見てしまったからだ。

もし、アンキラ国際学院から自分を連れ出したのが綸だと知られたら――。

彼が綸に...

ログインして続きを読む