第168章 依然として忘れられない

水無月詩織は、計算高く、用心深い女だ。

彼女はあらゆる可能性をシミュレーションしていた。もしある日、福江良平と別れることになったとしても、彼女が買い漁った服や靴、ブランドバッグを、福江良平が返せと言ってくることはあり得ない。あの人のプライドがそれを許さないからだ。

しかし、もし彼女が目の飛び出るような価格のダイヤモンドや宝飾品のネックレスを買ったとしたら、さすがの福江良平も回収しようとするかもしれない。だからこそ、彼女は一目で数千万円クラスと分かるような派手なダイヤは避け、それほど高価ではないものを選んだのだった。

店員が微笑みながら、ネックレスを丁寧に包んでいく。

水無月詩織は立ち...

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