第174章 扉一枚しかなかった

「ボス、千葉清美はまだ現れません。マークスがずっと宴会場の入り口を見張っています。彼女を待っているのは明らかです」

「まだ来てないだと? 一体何時だと思ってるんだ。何かあったんじゃないのか? 俺は直接彼女に問いただしたいんだ。なぜ俺を招待しなかったのかと」

「ボス、ご安心ください。引き続き監視を続けます。千葉清美が現れ次第、すぐにご報告します」

 電話を切ると、中村颯太はすぐにマークスに発信した。

 先ほどの電話で、ボスが招待状をもらえず鬱々としているのを敏感に感じ取っていたからだ。

 全てはマークスのせいだ。

 本来は彼ら二人の個人的な因縁なのに、無関係なボスまで巻き込んで。

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