第176章 感触を覚えている

電話口から鈴木舞が千葉清美の名を口にするのが聞こえ、守谷栄は弾かれたように振り返ると、彼女のそばへとにじり寄った。

相手が何を言っているのかは分からない。

しかし鈴木舞の様子は焦燥そのものだった。

「マークス、今がいつだと思ってるの? 福江良平の秘書なんて構ってる場合じゃないでしょ! いい、清美はまだ来てないのよ。さっき電話したけど電源が切れてる。本当に心配だわ……外で何かあったんじゃないかしら。グリンレストランにいるって言ったわよね? 二十分で着くって? もう一時間も経ってるじゃない! まだ来ないのよ! 早く来て、どうするか相談しましょう!」

鈴木舞はすぐに電話を切った。

守谷栄...

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