第191章 不意打ちのキス

福江良平は長身ゆえに歩幅が広く、歩くスピードも速い。彼は雫の手を引き、千葉清美と綸の親子の背後を追うようにして校舎を出た。

綸が千葉清美に言った言葉が耳に入り、彼は堪えきれずに声を上げて笑った。

千葉清美と綸が同時に振り返り、二人して彼を鋭く睨みつける。

その睨みつける目つき、尖らせた口元。二人の表情は驚くほど瓜二つだった。

福江良平は一瞬、呆気に取られる。

傍らで雫が言った。

「兄さん、綸ちゃんが怒った顔、兄さんに怒る時とそっくりね」

無邪気な一言だが、聞く者にとっては意味深長だ。

福江良平は反芻する。確かに、よく似ている。

まさか、千葉清美は養子を迎える際、まずその顔立...

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