第204章 彼喘ぎ声を聞いた

千葉清美はそっと手を伸ばし、福江良平の頬を伝う涙を拭った。

その仕草がまるで誘いであるかのように、福江良平はいきなり腕を伸ばすと、彼女を強引に横抱きにした。

体がふわりと宙に浮き、千葉清美は驚きのあまり小さく悲鳴を上げた。

「福江良平、何をするんですか?」

福江良平は荒い息を吐きながら、個室の奥にある扉を蹴り開けた。

千葉清美は知らなかった。「雲上クラブ」の個室が、まさかこのような構造になっているとは。

外側はテーブルやソファが置かれ、酒を飲みながら談笑するためのスペース。しかし内側には、大きなベッドが鎮座している。ここが何のための場所か、想像するまでもなかった。

ベッドに放り...

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