第214章 早く迎えに来て!

福江家の別荘。

福江良平は雫を伴い、リビングへと足を踏み入れた。

母親の福江夫人がソファから立ち上がり、柔和な笑みを浮かべる。

「良平。雫ちゃん。お帰りなさい」

雫は弾かれたように良平の背後へ隠れた。彼の腕にしがみつき、そこから恐る恐る顔を覗かせ、夫人を見つめる。

良平は片手で雫を庇うように遮った。

彼は眉間に深い皺を刻み、母親に問いかける。「どうしてここにいる」

夫人の顔に、傷ついた色が浮かんだ。

「本家のシェフがケーキを焼いたのよ。出来栄えが良かったから、あなたたちにもと思って。ちょうど水無月詩織さんもいらしているし、みんなで切り分けましょう。味見だけでも……」

家政婦...

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