第217章 彼女の抱擁

夜。千葉清美とマークスは、ホテルの小宴会場に足を踏み入れた。

鈴木舞や賀川純たちは、すでに到着している。

千葉清美は穏やかな笑みを浮かべ、皆に声をかけた。

「今夜集まったのは友人ばかりですから、皆さん、堅苦しい挨拶は抜きにして、どうぞくつろいでくださいね」

マークスは、中村颯太の姿を見つけるとすぐに歩み寄った。

「どうだ? 今夜こそ俺と飲み比べる度胸はあるか?」

中村颯太はデザートを頬張っている最中だった。マークスの言葉を聞くと、鬱陶しげに横目で彼を睨んだ。

「マークス、あんたはどうして顔を見るなり飲み比べなんて言い出すんだ? 他にすることはないのかよ」

中村颯太はスプーンを...

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