第250章 落水

朝倉暁はその言葉を聞いて、驚きのあまり口をぽかんと開けた。福江良平に話してしまったことを、今さらながら少し後悔した。

千葉清美が他言無用と念を押したのは、この元夫を警戒してのことだったのだろうか。

二人の間には、何か深い確執があるに違いない。だが、覆水盆に返らず。一度口から出た言葉は、もう二度と取り消せなかった。

福江良平は雫ちゃんを連れて別荘へ戻った。雫ちゃんを自室へ戻らせると、彼は自分の部屋に閉じこもり、窓辺に座って頭を抱え込んだ。千葉清美がなぜ自分を騙したのか、いくら考えても理解できなかった。

朝倉暁の手術を執刀したのは間違いなく彼女なのに、見ず知らずの他人だと言い張った。これ...

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