第263章 犯人

携帯電話を手にした千葉清美は、静かに言葉を紡いだ。

「福江良平、お母様を亡くされたばかりだということに免じて、今のあなたの態度には目を瞑ります。でも、自分の子供を失った時も真相を調べようとせず、ただ私を責めた。そして今度はお母様が亡くなって、また私を責めるのですね。何ですか、私がこの世界に存在していること自体が罪だと言うのですか? まずは事の真相をきちんと調べてから物を言ってくれませんか」

福江良平の目は赤く血走り、彼女の言葉など微塵も耳に入っていなかった。

彼はボディガードに命じた。

「千葉グループへ行け。千葉清美を引っ張ってこい」

「必要ありません。私から行きます」

通話を切...

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