第276章 真相

雫は急いで階段を駆け下りた。足音を殺しながら五代の後をつけ、裏口へと向かう。

物音に気づいたのか、五代がふと振り返った。

雫は慌てて植え込みの陰に身を潜めた。

ギイッと軋む音を立てて、木製の扉が開く。

五代と、もう一人の女の話し声が微かに漏れ聞こえてきた。

雫はすぐさま隠れ場所から飛び出し、二人の前に立ちはだかった。

不意に彼女の姿を認めた五代は、一瞬だけ慌てた素振りを見せる。

隣にいた女が、五代の袖を軽く引いた。

「緊張しなくて大丈夫よ。雫お嬢様は私たちを告発したりなさらないわ」

雫は微かに眉をひそめた。

「五代さん、この方は誰? どうしてこっそり会っていたの?」

五...

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