第311章 連れ去られる

福江良平はソファから立ち上がると、片手で反対の腕の肘を支え、指先で顎に触れたまま考え込み、ゆっくりと歩き回った。

しばらくして、彼は小さくうなずく。

「その可能性が高いな」

スマホを取り、護衛に電話をかけた。

「調べてほしい。守谷栄が、いつ、どこで、誰に連れて行かれたのか。今すぐだ。時間を無駄にするな」

電話口の護衛は即答する。

「はい」

「それと、直近三日間で守谷栄が接触した相手も洗い出せ」

「はい」

福江良平は通話を切り、雫ちゃんを見る。

「雫ちゃん、守谷栄のこと……心配なのか」

雫ちゃんはうなずいた。

「はい、兄さん。わたし、ほとんど友だちがいないんです。守谷栄...

ログインして続きを読む