第313章 仲を裂く

水無月詩織は、さきほど千葉智子のオフィスで聞いた――自分自身の声を、耳の奥で反芻していた。

怒りで奥歯を噛みしめる。ギリ、と歯が鳴った。

「わたし、踏み倒したわけじゃない。たまたま評判が落ちて、会社の株価が下がっただけよ。第一、あなたのお金を捨てたわけじゃないでしょう? あれは投資よ、投資! 投資にリスクがあるの、わからないの? ギャンブルと同じ。負けたなら諦めなさい、自己責任でしょ!」

水無月詩織の声が、氷みたいに冷えた。

「千葉智子。よくも、わたしをここまで怒らせたわね」

千葉智子は、わざとらしく肩を落とす。

「水無月詩織、わかってるでしょう。わたしの本意じゃないの。ただ伝え...

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