第318章 雫ちゃんと呼んでください

二日後、守谷栄はA市の病院のVIP個室に移されていた。

病床の前には父である守谷院長が立ち、堪えきれずに涙をこぼしている。

誇りに思ってきた息子が、数日見ないうちにここまで痩せ細り――しかも指を一本失っているなど。想像できるはずがなかった。

守谷栄の右手薬指は、B国の病院で一流の整形外科医と神経外科医が合同で再接合手術を行い、いちおう繋がってはいる。だが、離断されていた時間が長すぎた。機能はほとんど戻らず、見た目に大きな違和感がないだけ――そんな状態だ。

守谷栄が口を開く。声はひどく掠れていた。

「お父さん……そんなふうに泣かないでください。俺は大丈夫です」

守谷院長は涙を拭い、...

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