第323章 別れ

唐沢知子は言い終えるなり、容赦なく通話を切った。

胸の奥で、薄く嗤う。水無月詩織――あんた、あたしの前でさんざん偉そうにしてた頃の顔を、もう忘れたのね。今じゃ福江良平に捨てられて。残ってる使い道も、あとひとつだけ。

唐沢知子は連絡先を開き、ひとつ番号を押す。「野乃。準備はできてる? 次はあんたの出番よ」

千葉グループ社長室に、朝倉暁が訪ねてきた。

千葉清美は笑顔で迎える。「暁、どうしたの?」

朝倉暁は心配を顔いっぱいに浮かべる。「清美、収録が終わってすぐ聞いたんだ。海外に行って銀王の手術をしたって……? 妊娠してるのに長時間立ってたんだろ。絶対きつかったはずだ。もう体は落ち着いたの...

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