第328章 陥れる

地面に転がる、顔じゅう青あざだらけで髪を振り乱した女――水無月詩織じゃないか。

千葉清美は、まさか水無月詩織が福江翔也の件で自分に噛みついてくる日が来るなんて、夢にも思っていなかった。なにせ福江翔也とは、何年も前にとっくに別れている。

入口の警備員が水無月詩織を両脇から抱え上げ、千葉清美の前に立たせていた。

ちょうど出勤時間帯で、玄関前には社員が多い。水無月詩織はそこでなおもギャーギャーと喚き散らし、かつての端正な姿など欠片もない。ここで騒がれては会社の面目に関わる。千葉清美はボディガードに言った。

「連れていって」

ボディガードが千葉清美の顔を見て眉をひそめる。

「ボス、お顔が...

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