第335章 訃報

街角のレストランで、水無月の父は福江良平の向かいに座っていた。

たった一晩で、水無月の父は十歳どころか、それ以上に老け込んだように見える。日頃から身だしなみに気を配り、体型管理も欠かさない人だから、普段は同年代より若々しいのに。

良平が見つめると、彼はうつむいたまま目に光がない。焦点の合わない瞳。肩も背中も、目に見えて丸まっていた。

良平はメニューをそっと差し出した。

「水無月さん、何か食べたいものはありませんか」

水無月の父は手を伸ばしてメニューを押さえ、そのまま良平のほうへ押し返した。かすれた声で言う。

「ありがとう、良平。いいんだ。食欲がなくてね。もうB国へ戻る便を取った。...

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