第367章 サインしたら許してやる

高橋北は星河湾に来る前から、すでに覚悟を決めていた。前に千葉清美をあれだけ酷く罵ったのだ。きっと千葉清美は怒鳴り返してくる。そうしたら、自分は堪える。言い返さない。言い訳もしない。彼女の鬱憤が晴れるまで、ただ受け止める。

――ところが。

千葉清美は、彼の謝罪をあっさり受け入れた。ただそれだけ。羽のように軽い一言で。

信じられなかった。

「千葉社長……本気ですか? それで終わり? 俺、あんな言い方で、あなたのことを……それなのに、そんな簡単に許すんですか?」

千葉清美は彼を見据えた。瞳には一片の温度もない。

「高橋さん、たぶん勘違いしていらっしゃいます。わたしは『謝罪を受け取る』と...

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