第371章 黒い影

翌日、福江翔也は花束を抱えて野乃の見舞いに訪れた。

「野乃。昨日の電話で、今日退院するって言ってただろ。迎えに来た」

野乃の顔の腫れはすっかり引き、整形した鼻も修復手術を終えている。顔立ちは、また千葉清美そのものに戻っていた。

彼女は微笑み、福江翔也の手から花束を受け取る。

「ありがとう、翔也。わたしのこと、大事にしてくれて」

福江翔也は彼女の身体を支え、ベッドから降ろした。

「車は下に停めてある。荷物まとめろ。退院しよう」

野乃は少し気まずそうに口元を押さえる。

「病院に長くいたから、ちゃんとお風呂も入れてないし、化粧もしてないの。……わたし、ひどい顔じゃない?」

福江翔...

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