第380章 離婚

千葉清美は微笑んだ。

「あなたも言ってたじゃない。これからはいいお父さんになって、ずっとわたしたちを守るって」

福江良平はわずかに胸を揺らす。彼はこれまで、何が「家族」なのかを実感したことがなかった。

幼い頃から、父親は殴るか怒鳴るか。年上の兄はずっと外で学んでいて家にはほとんどいない。母は気が弱く、庇うことすらできなかった。妹は生まれつき人とは違い、知的にも遅れがあった。

結局、彼は子どもの頃からずっと、一人で踏ん張って生きてきたのだ。

雫ちゃんをそばに置いてきたのは、妹だからというだけじゃない。彼に残された、たった一つの血のつながりだったから。雫ちゃんは幼い頃から、彼にひたすら...

ログインして続きを読む