第387章 呪い

唐沢知子はいま、すでに異国の地にいる。ひとまず身を寄せているのは、唐沢森がJ国に構えた別荘だった。

唐沢森は当時、逃亡するなりシンホーキャピタルの資金を丸ごと持ち出し、国外で会社を新たに登記し直している。

とはいえ現時点では、唐沢森は知子を会社の仕事に関わらせるつもりはないらしい。知子のほうも、手持ち無沙汰な日々を送っていた。

「千葉智子、千葉清美の子どもはどうなった?」

「危篤だって。もう長くないらしいよ」

「……だからか。福江良平から電話が来た。私を殺したいんだろうね」

「いい気味。身内を失う痛みってやつを、あいつにも味わわせてやらなきゃ。もっと深く刻み込ませるなら――こっち...

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