第400章 昔のこと

福江博はまだ酔いつぶれてはいない。首をぶんぶん振りつづけた。

「言っただろ、教えられない。そんなことしたら……おまえの叔父の名誉が傷つくだけじゃない。福江の家そのものが、A市で顔向けできなくなる。下手をしたら、C国にだって居場所がなくなるんだ」

福江翔也は鼻で笑った。

「お父さん、まだ分からないの? 叔父さんが俺の母さんを撃ち殺した時点で、もう俺たちとは別の道を選んでる。あいつの中じゃ、とっくに自分は福江の人間じゃないんだよ。だったら今さら、情だの血だのに縛られてどうするのさ。教えてよ。俺はお父さんの実の息子だろ? 俺が、お父さんに害なんかすると思う?」

福江博は独り言みたいに繰り返...

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