第406章 秘密を見破る

父は何ひとつ知らなかった。それどころか、若い妻と息子が仲睦まじくやっていると信じて疑わない。名家でありがちな、継母と継子が腹の内を探り合い、足を引っぱり合っては潰し合う――そんな芝居は唐沢家では一度も上演されなかった。日々あるのは、母が慈しみ、子が孝を尽くす光景ばかり。

父はそれを心から喜び、その分、唐沢知子をかわいがった。

だが――唐沢知子が母の秘密を目撃してしまった日から、彼女の内側は吐き気でいっぱいになった。それ以降、彼女は母と唐沢森を避けるようになる。

反抗的になり、実の母を憎み、父を情けないと思った。かつては、唐沢家こそ幸福そのものだと信じていた。父も母も甘やかしてくれる。兄...

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