第425章 アレルギー

唐沢知子は、彼の苦しみに眉ひとつ動かさなかった。

「兄さん、いったい何の意地ですか。……自分がペニシリンにアレルギーだって分かってるのに、どうしてそんなに飲むんです。傷口だって感染してるのに、さっきだってペニシリンをあれだけ飲んだでしょう。分かってないんですか。薬を飲んだら酒はダメなんですよ。……死にますよ」

唐沢森は怯えたように目を見開き、彼女をにらんだ。

「唐沢知子……俺は……飲んでない……酒なんて……」

唐沢知子は冷たい顔のまま、脇にいる用心棒へ顎で合図した。

用心棒は即座に察し、ベッドへ歩み寄ると、唐沢森の顎を押さえつけた。次の瞬間、ウォッカのボトル一本が、まるごと口へ流し...

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