第428章 キス

中村颯太は手を挙げ、誓うように言った。

「俺、今日ここに来るって誰にも言ってないです。ボスにはなおさら。子どもたち連れて遊びに来たなんて、絶対知らないっす」

マークスはふっと顔を背け、わざと凄んだ声を作る。

「……ふん。お前が俺に嘘つく度胸なんてないだろ。ていうかさ、清美に家追い出されたら、俺はお前のベッドにもぐり込むからな」

改札窓口の中では、遊園地スタッフがひそひそと囁き合っていた。

「いまの人、社長特助じゃない? 会社のPRサイトで見たことある。中村颯太って」

「うん、間違いない。さっき社員証見えたし。社長特助の中村颯太だよ」

「じゃあ、一緒にいた子ども二人は誰? 結婚し...

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