第429章 専属の城

咲花は小さな手を差し出した。「じゃあ……いいよ」

福江良平があわてて引き止める。一行は石造りの城へと向かった。

管理スタッフが、城の遊園地のゲートを開く。

見上げた先――石の城の入口に、看板が立っていた。

そこにはこう書かれている。

「咲花と綸ちゃんだけの 城の楽園」

咲花は興奮で頬を真っ赤にして、綸ちゃんの手をぎゅっと握った。「兄さん、わたしたち専用のお城ができた!」

今度は、綸ちゃんは拒まなかった。

福江良平のほうを向き、かすかに告げる。「……ありがとう」

福江良平はごくりと唾を飲み込んだ。

息子が、自分に話しかけてくれた――。

綸ちゃんと咲花の後ろをついて回り、何...

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