第430章 ありがとう

千葉清美は彼女の腕を押さえ、たしなめるように言った。

「舞ちゃん、あの人を困らせちゃだめよ」

鈴木舞はウインクしてみせる。

「冗談だってば」

メニューをぱらぱらとめくりながら、何気ないふりで口にする。

「福江良平って、よくここに来るんでしょ? あの人が来たときは魚料理、食べられるのかなって」

店員は黙ったままだ。

千葉清美は水のグラスを持ち上げた。

「舞ちゃん、食事は食事。なんで彼の話をするの」

鈴木舞は声を落とす。

「入る前に駐車場で、あの人の車を見たの。近くにいるはず」

注文を済ませ、タブレットを店員へ返すと、千葉清美に向き直った。

「ねえ、福江良平が清美のこと、...

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