第483章 思考

福江良平は咲花がこれ以上口を滑らせるのが怖くて、慌てて通話を切り、千葉清美のほうへ歩み寄った。

千葉清美はぽかんと彼を見上げる。

「……なんだか、後ろめたそうな顔してるけど?」

福江良平はスマホを握ったまま、彼女を見つめる。

「清美……俺に怒ってないか?」

千葉清美はドライヤーを彼の手に渡した。

「どうして怒るのよ」

福江良平はコンセントを差し、温風を入れて、彼女の髪を乾かし始める。

「さっき、咲花の話……聞こえてたよな。俺、朝倉暁を家から追い出しちまった」

千葉清美はソファに座り、彼の膝へ頭を預けた。大きな指が髪の間をすくように通っていくのを、ただ受け入れる。

「怒らな...

ログインして続きを読む