第484章 全部お前に

福江良平は苦しげに顔を歪めた。

「清美、雫ちゃんは……俺と一緒にもう三十年近く生きてきた家族なんだ。守谷栄が何か言ったからって、それだけで手がかりを探すのをやめるなんてできない。俺自身に対しても無責任だし、雫ちゃんに対しても無責任だ。雫ちゃんほどの大人が、理由もなく消えるわけがないだろ」

守谷栄の名を口にした途端、声には露骨な憎しみが滲む。

「雫ちゃんは……どうしても普通の人ほどしっかりしてない。高等教育を受けた大の男が、あんな子を連れ出しておいて、俺が警察に突き出さなかっただけでも最大限の温情だ。恨まない、とは言ってやれる。だが……俺は一生、許さない」

千葉清美はそっと彼の手を撫で...

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