第492章 ルームメイト

千葉清美は彼の胸の中で泣きたいだけ泣くと、手の甲で涙を拭い、顔を上げて見つめた。

「……わたしのこと、ずっと待ってましたか?」

福江良平は彼女を見下ろし、微笑む。

「いや、そこまででもない。長野久美子がとっくに飯を作って、帰ってくるのを待ってる」

「じゃあ、早く帰りましょう。引っ越しの準備もしなきゃ!」

千葉清美はごく自然に、福江良平の手を取った。

自分の大きな手を包む、小さな手。良平はそれを見て、ふっと肩の力を抜いた。さっきまで頭に渦巻いていた、どうでもいい雑念が霧みたいに散っていく。

彼女が自分に、何か重大なことを隠しているはずがない。

彼女は――こんなにも自分を愛してい...

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