第511章 妊娠

向こうはすぐに電話に出た。

「寧々? どうしたの、急に電話なんて。何かあった?」

そのやさしい声を聞いた瞬間、雲田寧々は泣きそうになった。

ぐすっと鼻をすすり、震える声で言う。

「わたし……妊娠したかもしれないの」

受話器の向こうで、椅子を引く音がして、次にヒールが床を叩く足音。最後に、ドアの閉まる音がした。

千葉清美の声が戻ってくる。

「寧々、確かなの?」

雲田寧々はうなずき、すぐに相手には見えないと思い出して、小さく答えた。

「はい。検査薬を買って……線が二本、出ました」

「最後の生理はいつ?」

「もう二日、遅れてます」

「それなら、今エコーをしても胎嚢はまだ見え...

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