第512章 朝食

高橋北一はその言葉を聞くなり、慌てて振り返って彼女を止めようとした。だが雲田寧々は素早く身をひるがえし、もう玄関に滑り込んでいる。

高橋北一は片手を腰に当て、もう片方で開け放たれたままのドアを指さした。

「雲田寧々。二度は言わねえ。今すぐ――出てけ!」

このクソアマがここに住みついてからというもの、毎日ふてくされた顔を見せつけてくる。飯はまずく感じるし、美人を見ても気分が乗らない。

冗談じゃない。こんなのを住まわせ続けたら、これから先どうやって女を連れ込んで楽しく遊べっていうんだ。

雲田寧々は彼の凄んだ顔を見上げ、唇を尖らせると、スーツケースにもたれたままゆっくりしゃがみ込んだ。

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