第546章 執事

綸は着信表示も見ず、福江良平からだと思い込んでいた。スマホをひったくるように掴み、低い声で吐き捨てる。

「何度も言っただろ。俺のことに口出すな。金田誠を罰するのに、おまえの手は借りねえ……必ず報いを受けさせる!」

受話口の向こうが、すとんと静まった。

綸ははっとして、慌てて画面を見下ろす。表示されていた名前に、喉が詰まる。

「……母さん」

千葉清美の声が、心配で震えていた。

「綸! やっと電話に出た!」

「母さん、今……体はどう?」

「体? 元気よ。どうして急にそんなこと聞くの?」

「……なんでもない。ただ、ちょっと心配で」

「大丈夫。平気よ。たまに疲れやすくなったのと、...

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