第575章 褒める

「高橋北が言ってたでしょ。STグループでは、わたしたちは福江良平の指示に従っていればいいの。ほかの人の意見なんて、いちいち気にしなくていい」

マークスは真顔になった。

「清美、考えたことはあるか。今はおまえと福江良平は愛し合ってる。支え合って、あいつもおまえのためなら何だって考えてくれる。だがな、いつか――あくまで、もしの話だ――気持ちが冷めたり、二人の間に亀裂が入ったらどうする?」

言葉を切り、マークスは低く続ける。

「そのとき、あいつが千葉グループを自分の手の中に収めようと思えば、造作もない。おまえは愛も仕事も失うことになる。清美、その先を想像したことは?」

千葉清美はソファに...

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