第582章 知り合い

一晩中、千葉清美の頭から福江良平のことが離れなかった。寝返りを打ってはため息をつき、結局ほとんど眠れないまま。夜明け前には起き出して、黙々と荷物をまとめる。

朝食を済ませると、清美は長野おばさんの手からランドセルを受け取った。

「長野おばさん。咲花のこと、わたしが送っていきます。家では綾斗を見ていてください」

咲花はぱっと跳ねて喜ぶ。

「やった! ママが学校まで送ってくれるの、すっごく久しぶり!」

清美の胸の奥が、きゅっと痛んだ。苦い笑みを浮かべ、咲花の手をそっと握る。

「行こうか」

長野おばさんは、意味ありげな目で母娘の背中を見送った。

登校の道すがら、清美は咲花に、これか...

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