第583章 冷徹なメイド

書棚の中央にある隠し扉がすっと開き、痩せて背の高い女が姿を現した。

千葉清美が息をのむ。

「比嘉様……あの人、蘭に体つきがそっくりです! いま一瞬、蘭が生き返ったのかと思いました!」

女は顔を上げ、千葉清美をまっすぐ見据える。

「清美。わたしが小林蘭よ」

比嘉天啓が、喉の奥で小さく笑った。

千葉清美は戸惑いを隠せない。

「じゃあ……その、お顔は……」

比嘉天啓が口を開く。

「前に良平から頼まれてな。金田家の宴からこいつを連れ出した。郊外の別荘に匿っていたが、どこかで情報が漏れた。金田介利に密告が入ったんだろう。金田太輔が手下を連れて来て、別荘に火を放った。小林蘭が住んでいた...

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