第11章 彼が知らない真実

(福山真司の視点)

牧野結菜の病室を飛び出し、そのまま廊下を突っ切って村山愛未の部屋の前まで来た。――なのに、ドアノブに手を伸ばしかけたところで、足が止まる。

手の中には、あの離婚協議書。

握りしめすぎて紙の端がぐしゃりと潰れ、指の節が白くなっていた。

頭の中はぐちゃぐちゃだ。

結菜の言葉、あの目。手首の青あざ。全部が縄みたいに絡まり合って、きつくきつく締まっていく。息が、詰まる。

「真司兄!」

内側からドアが開いた。

愛未が俺を見つけるなり駆け寄ってきて、腕にしがみつく。

「どこ行ってたの? ずっと心配してた……結菜さんのところ? 結菜さん、真司兄に何かひどいこと言った?...

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