第116章 発散

(牧野結菜の視点)

反射的に思った。福山真司だ。

あいつ以外に、こんな含みのある、しかも妙に上から目線の言い回しで、こんなものを送りつけてくる人間はいない。平山社長を「落とした」だなんて、おめでとう? 文面の端々から漂う酸っぱさと、じっと見張られているような気配に、胃の奥がむかっとした。

ほんと、しつこい男。

私は無表情のまま、画面を素早く操作してその見知らぬ番号を即ブロックし、メッセージも削除した。流れるように一連の動作を終える。迷いは一ミリもない。

福山真司の振る舞いに、これ以上時間も感情も使うつもりはなかった。

それより腹が立つのは、平山徹也というクソ野郎だ。

私は平山里...

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