第128章 クソ兄

(牧野結菜の視点)

「ねえ兄貴。あたしたちのこと、全員バカだと思ってるわけ?」

平山里穂子の声には、隠しもしない嘲りがべったり張りついていた。

「子どもの頃からずっと、その手の言い訳で何人泣かせてきたと思ってんの。自分で数えてないの?」

受話口の向こうが、すん、と静かになる。

少し間を置いてから、平山徹也の声が戻ってきた。どこか不自然に、言い淀みながら。

「俺は……本当のことを言っただけだ」

「本当のこと?」

里穂子が鼻で笑う。冷たさが増した。

「兄貴の言う『本当』って、相手の好意を踏みつけて、さらに二、三回踏み潰すやつでしょ。いい? 平山徹也。結菜は、兄貴が口先で脅せば逃...

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