第129章 あなたはおかしい

(牧野結菜の視点)

スマホがテーブルに放り投げられたかと思うと、また狂ったように震えだした。

画面にでかでかと表示された「兄」の一文字に、平山里穂子がびくっと肩を跳ねさせる。火傷でもしたみたいに慌てて端末を掴み、わたわたとマナーモードに切り替えた。

もう出られない。

あのクソ野郎が、次はどんなことを言い出すか――考えるだけで胃が痛い。

「クソ野郎! 今日こそ罵り倒してやる! 罵り倒せなかったら、私、平山じゃない!」

里穂子は大きく息を吸い込み、SNSを開いた。指が火花でも散りそうな勢いで画面を叩き、胸の奥の怒りを文字にぶつける。

【平山里穂子:平山徹也、あんた頭おかしいでしょ!...

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