第137章 プロ意識

【牧野結菜の視点】

シートベルトを締め、運転席の男へ横目を向けた。

「平山社長がおっしゃっていた“証拠”って、何ですか」

平山徹也はすぐには答えない。片手をハンドルに預けたまま、ルームミラー越しに福山グループの方角を眺め、口元に薄い笑みとも嘲りともつかない弧を刻んだ。

「なに。俺と一緒にいるの、そんなに早く切り上げたいわけ? さっき上じゃ、ずいぶん辛抱強く付き合ってたじゃない。あいつと長々話して」

眉間がきゅっと寄る。

「平山社長、下でずっと待ってたんですか」

「別に」エンジンをかけ、気だるげに言う。「元夫が復縁迫って、見事に振られるっていう年イチの大芝居を一本、観るくらいの時...

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