第147章 どんな男でも数分しかない

(牧野結菜の視点)

法廷では、私と岩本源が左側の原告席に並んで座っていた。正面には福山真司。五人もの弁護士を従え、机の半分ほどを埋める勢いで書類が積まれている。

入廷してから今まで、私は福山真司を一度も見ていない。

一度たりとも。

裁判官が口を開く。

「原告側、何を求めるのか述べてください」

岩本源が立ち上がり、ファイルを開いた。

「原告・牧野結菜は、被告・福山真司との婚姻関係の解消を求めます。理由は三点。第一に、被告は婚姻期間中、第三者である村山愛未と長期にわたり不貞関係を継続していたこと。第二に、被告は原告に対し家庭内暴力を行い、原告の右手首に傷害を負わせたこと。第三に、夫...

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