第149章 あなたより一万倍強い

(牧野結菜の視点)

福山真司の顔が、瞬間、醜く歪んだ。

「……何だと?」

彼は私の手首を放り、岩本源へ向き直ると、一歩、また一歩と詰め寄っていく。瞳の奥には、隠しようもない怒気。

「岩本源。自分の分際をわきまえろ。しがない弁護士ごときが、俺の前で口先だけで勝てると思ってんのか」

岩本源は退かなかった。むしろ半歩、前へ出る。両手をポケットに突っ込み、首を傾げて福山真司を見上げる。

「福山社長、負けは負けです。ここで俺に当たったところで、判決書の文字が勝手に消えたりします?」

「てめぇ……!」

福山真司のこめかみに血管が浮く。

「この裁判は終わってねぇ。控訴する。高等裁判所でひ...

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